栗しごとがつらかったです。
結婚してから毎年3㎏程の栗を頂きます。
「季節の恵みを頂く。」
お菓子の仕事をしているから、栗しごとは毎年恒例の楽しい行事。
栗しごとを楽しんでいる人は、丁寧に暮らしている人。
栗しごとをする人はいいひと。
パティシエはそうするものと、私自身が追い詰めてきたのかもしれません。
この時期はまだ暖かくてすぐにカビが生えてしまうので、大量の栗しごとは3日間くらいの夜なべ仕事になります。
栗しごとが大変なので栗としておすそ分けすると「モンブランでくれたら嬉しい(笑)」の何気ない言葉。
普段は流せる冗談が苦しい。
つくった渋皮煮も大量なので使い切れないし、
けれど、もったいないから食べないといけない。
冷凍庫を開けるたびに目につく渋皮煮。
栗以外にも作りたいお菓子は沢山あるし、締め切りの迫ったお菓子作りもあるけれど、
「季節の恵みを頂く」
やはりこの言葉が重くのしかかって。
まずはこの栗を使ったお菓子を作らねば…。
本当に、ここ5年ぐらいは9月の初めごろから「もうすぐ栗が来る」と気分が重くなって。
眠たくて体もクタクタの時の栗しごと。
煮ている栗の鍋を床にまいてしまいたいくらい、本当につらかったです。
今年。
初めてお断りすることができました。
「使い切れないのでいいです。」って。
やっと言えた。
ようやくまた、栗のお菓子が好きになれそうです。